西福寺宝物

西福寺宝物

 西福寺には二度にわたり火災に遭いましたが、宝蔵は類焼をまぬがれたため、数々の宝物が時代を超えて今に残されています。
武田信玄寄進状
 永禄8年(1565)11月15日、武田信玄が重臣長坂釣閑斉をして西福寺にあてた一貫二百四十文の寄進状です。
 これによって西福寺は武田信玄を開基として寺の建立が進められました。
武田信玄公寄進状

開山自筆出家略作法
 道元禅師の撰述した 出家略作法 を開山和尚が書写したもので、写本として現存するものでは、金沢の大乗寺本が有名ですが、本書はそれ以前のものであり、貴重な資料といえます。
開山自筆出家略作法

御墲物道中用具
 天保3年(1832)十七世珉洲和尚が、京都正親町三條家と猶子の関係を結んだおりに三條家より賜った道中用具です。
御墲物道中用具

正親町三條實愛公和歌自筆額
 實愛公が当地を訪れたおりに西福寺境内外の桜清水を歌ったものです。

 濁りなき 桜の清水 掬ふ手に
  まついにしへの 影をうつして

 残念ながら桜清水は鉄道敷設のため、今その面影を留めていませんが、清水は枯れることなく流出しています。
實愛公和歌自筆額

開山伝衣
  伝衣とは、単に伝承された袈裟をいうのではなく、師匠が嗣法(法統を嗣統すること)の弟子に、その証として与えた袈裟のことをいいます。この袈裟は塩尻市の有形文化財に指定されています。
開山伝衣