境内散策

境内散策

 池泉は 心 を形どっています。その水を堪えるさまは広々とし、錦鯉の静かに泳ぐ姿は平和そのものです。池泉の石組もよく、殊に拝石は重さ二千貫(7,500㎏)にも及び、この上に立っての礼拝は、西福寺にふさわしいものといえます。老松の枝幹は長く延び、池泉の背景となって、水とよく和しているおもむきは、まことに明るい印象を醸しだしています。
 庭園には大小多数の植込みがあり、中でも滝口にあるモミジの大木は一際目立つもので、紅葉の時は、陽に映えて絢欄として全園に照り輝き、感嘆の止むことなき有様です。
 背景として自然の斜面を利用して潅木を植え、遊歩道を作り、茶室を作り、竹林あり、喬木に移行し、次第に深山幽すいの奥地に通じます。